育てやすく、室内緑化にもってこいのモンステラ。常緑性があり、一年中緑を楽しめます。デザイン性の高い葉の形状から、南国のイラストにもよく描かれています。土植えの状態で購入したモンステラを、ハイドロカルチャーに替えてみましょう。
モンステラとは?
アメリカの熱帯雨林などに群生しており、強い生命力を持つモンステラ。ヒメモンステラやデリシオサ、マドカズラなど複数の種類があります。成長が早い植物であり、茎からたくさんの気根を出すので、バランスを考えて定期的に切ってあげましょう。寒さ、暑さ、乾燥、日陰にも強い、初心者の味方のような植物です。
モンステラをハイドロカルチャーへ植え替える
2年に1回、根腐れ防止のためにも植え替えをします。植え替え時期は5月から6月ごろ。伸びすぎてしまった場合このタイミングで切り、ハイドロカルチャーに植え替えてみましょう。
ハイドロカルチャー化の手順
それではモンステラをハイドロカルチャーに植え替える方法を、順を追って解説します
土植えのモンステラを植木鉢から取り出す
茎の根本を人差し指と中指ではさみ、ひっくり返すようにして優しく鉢から取り出しましょう。枝が多い場合は剪定してしまてって問題ありません。
付着している土を完全に取り除く
土を完全に取り除きます。このとき茎だけを持つと土の重みでモンステラが傷んでしまうので、土の部分を持ちながらそっと底の方から洗っていってください。水を張った桶で綺麗に洗いましょう。根に傷をつけないように丁寧に作業してください。
植物を入れる容器を用意する
容器は穴が開いていなければ何でも使えます。お気に入りの器を用意してください。透明なガラスは水位が見えるので、根腐れの原因となる水のやりすぎを防止できます。陶器を使う場合は水位計が便利です。土植えの場合のように、成長を考えて大きいものを用意する必要はありません。
根腐れ防止剤を入れる
根腐れ防止に力を発揮するのがミリオンAです。こちらを底に敷き詰めます。ミリオンAの成分は珪酸塩白土という天然の土。根腐れ防止だけでなく、水の活性化、ミネラル補給、光合成の促進など、箱根の温泉のような様々な機能を果たします。
ハイドロボールを三分の一くらいまで入れる。
容器にモンステラの土台となるだけのハイドロボールを入れてください。思った以上に量が必要になると思うので、容器は小さめの方がいいです。
モンステラを設置
とりあえず気根も中に入れ、緑の部分だけ外に出るように設置します。割りばしなどを使い、位置を仮決めして隙間にハイドロボールを流し込みます。
ハイドロボールを敷き詰める
設置したモンステラの周りに、残ったハイドロボールを敷き詰めて安定させれば完成です。根が絡まりやすいよう、上部は小さめのハイドロボールにします。満杯までハイドロボールを入れるとこぼれやすくなってしまいますので、ほどほどに。
モンステラをハイドロカルチャーで育てる5つのコツ
植え替え直後の管理場所
土植えからハイドロカルチャーに植え替えたら、一週間くらい日光の当たらない部屋で休ませてください。植え替えたばかりの根は傷ついていることが多く、そのときに強い光を当てると植物が弱ってしまいます。
モンステラはどこに置くべき?
年間を通じて直射日光は避けましょう。暖かい時期は室外の場合明るい日陰、室内ではレースカーテン越しなどがいいでしょう。秋からは室内に入れ、極力明るいところにおいてください。
ちなみにモンステラには蓚酸カルシウムという毒性があります。ペットや小さいお子さんがいるご家庭は、手の届かないところに置いてあげてください
水の与え方(春~秋)
温かい時期は成長期に当たりますので、水をよく吸います。水やりの基本は、「土が乾いたらたっぷりと与える」と言われていますが、ハイドロカルチャーでは乾燥よりも根腐れしないように水やりすることが大切です。
根腐れさせないコツは、一度、水につかっている根を空気に触れさせて呼吸させてあげること。ハイドロボールには無数の穴が空いているので、容器の底に水がなくなっても細かい穴の中には水を貯めこんでいます。乾燥してしまうことはありません。容器の底に水がなくなったら、2~3日待って水を与えてください。
それとは別に、葉にちょくちょく霧吹きで水をかけてあげてください。あまり大きくしたくない場合は、一年を通してやや水やりを控えましょう。
肥料の与え方
ハイドロカルチャーでモンステラを成長させるためには、肥料で栄養を補給してあげましょう。ただし、ハイドロカルチャーで育てる場合、直接根に肥料があたってしまい、根を痛める原因になります。土植えの時と同じ肥料では濃すぎるので、ハイドロカルチャー用の希釈倍率の表記がある液体肥料を使いましょう。
肥料を与えるのは春〜秋のよく成長する時期がベストでしょう。生長がほぼ止まる冬は、肥料は必要ありませんよ。また水やりと同じく、あまり大きくしたくない場合は肥料も控えめにしてください。
冬場の管理
冬になったら、モンステラは室内の明るいところに置いておきましょう。5℃を下回らないよう管理してあげると、元気に越冬してくれます。この時期には貴重な緑です。大切に育ててあげましょう。
ハイドロカルチャーで育てたモンステラの植え替え
ハイドロカルチャーは土栽培とは違い、植物の新陳代謝で発生したゴミなどを微生物が分解することなく、容器の底に溜まってしまいます。それが根腐れの原因にもなるので、一年に1回、5~6月頃にハイドロボールと根腐れ防止剤の入れ替えを行いましょう。
根腐れしないために
根腐れしないように、ミリオンAを入れ替えます。これには有効期限があるので、そのままにしておくと効果がなくなてしまうのです。取り出したモンステラは水で洗って、風通しのいい場所で少し根を乾かしてから植え替えましょう。
ハイドロボールを綺麗に洗う
ハイドロボールは綺麗に洗えば再利用できます。また、雑菌が気になる場合は煮沸消毒してください。汚れのひどい場合は、新しいものと交換するのも手です。