植物を育てるには必須栄養素と呼ばれる17種の元素が必要になります。それぞれは以下の通りです。炭素 (C)、水素 (H)、酸素 (O)、窒素 (N)、リン (P)、カリウム (K)、カルシウム (Ca)、硫黄 (S)、マグネシウム (Mg)、ホウ素 (B)、塩素 (Cl)、マンガン (Mn)、鉄 (Fe)、亜鉛 (Zn)、銅 (Cu)、モリブデン (Mo)、ニッケル (Ni)。
ハイドロカルチャー・水耕栽培をするうえで、間違った肥料を選んでしまうと、必須栄養素が不足して植物が育たないという事態になってしまいます。肥料の正しい知識を整理しておきましょう。
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自然界の植物はどうやって必須要素を取り込んでいるのか?
必須栄養素を分類したのが下記のグラフです。
元素名 | 記号 | 分類 | 供給源 |
炭素 | C | 多量要素 | 天然供給 |
酸素 | O | ||
水素 | H | ||
窒素 | N | 普通肥料に含まれる | |
リン | P | ||
カリウム | K | ||
カルシウム | Ca | ||
マグネシウム | Mg | ||
硫黄 | S | 自然の土壌に含まれる | |
マンガン | Mn | 微量要素 | |
ホウ素 | B | ||
鉄 | Fe | ||
銅 | Cu | ||
亜鉛 | Zn | ||
モリブデン | Mo | ||
塩素 | Cl | ||
ニッケル | Ni |
多量要素とはたくさん必要になる栄養素で、微量要素は少しで足り栄養素の事です。多量要素のうち天然供給は空気と水から取り入れることができる栄養素で、炭素 (C)、水素 (H)、酸素 (O)の3要素が該当しています。その他の14種は土から取り入れる栄養素になります。自然界の植物は17の必須要素のうち3種を空気と水から、14種を土壌から取り入れているのです。
ハイドロカルチャーに必要な肥料は?
植物は14種の必須要素を土壌から取り入れています。土を使わないハイドロカルチャーでは、14種の必須要素を水に溶かして与える必要があります。
※塩素(Cl)ニッケル (Ni)に関しては肥料として意識して与えなくとも、水道水に含まれているなど、生育の過程で吸収されるため肥料成分として与える必要はありません。
土植え用の肥料では必須要素が不足します。
基本的に土には微量要素が含まれているので、肥料として必ず必要となってくるのは多量要素です。多量要素のうち、硫黄(S)は日本の土壌には十分含まれているため、日本で植物を育てるための肥料として最低限必要になるのは、窒素 (N)、リン (P)、カリウム (K)、カルシウム (Ca)の5要素ということになり、この5要素を補うことが肥料に求められます。
ハイポネックス原液などはこれに該当し、土植えの植物に効果を発揮するものです。
ハイドロカルチャーでは微量要素を含む肥料を選ぼう!
土を使わないハイドロカルチャー・水耕栽培では、微量要素を土から取り入れることができないため、肥料として取り入れる必要があります。おススメは次のような肥料になります。
ハイポニカ肥料(A・B)
A・B二つの肥料を混ぜて使います。なぜ混ぜなくてはいけないかというと、肥料濃度が高いままで全ての肥料成分を混ぜると化学反応を起こして沈殿が生じ、肥料養分が水に溶けなくなってしまうから。特に、硫酸カルシウム(CaSO4)、CaとPO4からなるリン酸カルシウムは沈殿しやすくなります。【参考:農林水産省資料による】
微粉ハイポネックス
水に溶けやすい粉末肥料です。三大栄養素のバランスはN-P-K=6.5-6-19とカリウムが多く含まれ、植物の株を丈夫に育てます。約1,000倍に薄めて使用します。
大塚ハウス肥料
こちらはプロ用の肥料で、育てたい植物に応じて組み合わせて使います。基本は1号と2号を組み合わせて使います。その他詳しい組み合わせに関して詳しくはこちらをご確認ください。