小鉢から大鉢まで好みの大きさで育てられるパキラ。枝を切ってハイドロボールに突き刺した朴仕立ての状態でハイドロカルチャー苗として出回っていますよね。パキラは根腐れしにくいことから、ハイドロカルチャー苗として重宝されています。そんなパキラですが、置き場所に気を付ければハイドロカルチャーでも大きく育てることができますよ。
パキラとは?
パキラは丈夫で育成が早く、新芽が次々とでてきます。大きく育ったパキラは実をつけます。実からとれる種はカイエンナッツと呼ばれ、食べることもできますが、微量に毒をを含んでいるため台湾などでは食用利用は禁止されています。そんな種ですが、種から育てると幹が太った存在感のある木に成長するんです。
自然での様子は?
樹高が20メートルにも育つ高木で、熱帯の日当たりのよい場所に育ちます。
名称 | パキラ | ||
科・属 | キワタ(アオイ)科・パキラ属 | ||
学名 | Pachira aquatica | ||
原産地 | メキシコから中南米 | ||
ハイドロ適正 | 〇 | ||
日当たり | 〇日なた | 〇半日陰 | 日陰 |
耐陰性 | △ | ||
育成照度 | 3,000lux | ||
光補償点 | 600lux | ||
温度 | 5℃以上 | ||
乾燥 | 普通 | ||
樹高 | 20m |
パキラをハイドロカルチャーで育てる4つのコツ
パキラはどこに置くべき?
土植えであれば、カーテン越しの窓際などで日光を当てた方が育つパキラですが、ハイドロカルチャーでは水が蒸れて根腐れしたり、ハイドロボールにコケが生えるなどの劣化が起きるため、直射日光があたらない場所に置いてください。光補償点は600ルクスです。室内の明るい場所や、明るさが足りないときはLED照明を当ててみてください。
水の与え方(春~秋)
水やりの基本は、よく「土が乾いたらたっぷりと与える」と言われていますが、ハイドロカルチャーでは乾燥よりも、根腐れしないように水やりすることが大切です。日光で水が温まりやすいハイドロボールは、日光を好むパキラには向かないので、大きく育てたい場合はセラミスグラニューなどの保水タイプがベストです。
-
ハイドロカルチャーに最適な植込み材は?ハイドロボール、ネオコール、セラミスグラニューどれがいいのか?
ハイドロカルチャー用の植え込み材として使われるハイドロカルチャーでハイドロボール、ハイドロコーン、レカント、セラミスグラニューなどなど。これらは同じハイドロカル ...
水の与え方:ハイドロボールなど腰水タイプの植え込み材の場合
ハイドロボールなどの腰水タイプの植え込み材を使ってのハイドロカルチャーでの水やりのコツは、一度、水につかっている根を空気に触れさせて呼吸させてあげること。ハイドロボールには無数の穴が空いており、容器の底に水がなくなっても、細かい穴の中に水を貯めこんでいます。即水切れを起こすというわけではありません。容器の底に水がなくなったら、2~3日待ってから水を与えるようにしましょう。しっかりと空気に触れさせる日数を確保できるのであれば、一度にたっぷりと水を与えてしまっても問題ありません。容器に対して7割くらい入れてしまってOKです。
水の与え方:セラミスグラニューなど保水タイプの植え込み材の場合
セラミスグラニューなどの保水タイプの植え込み材を使ってのハイドロカルチャーでの水やりのコツは、容器の底に水を貯めないこと。セラミスグラニューが乾いてから、容器の四分の1~五分の1程度の水を与えると、植え込み材が水を吸い込み、底に水がたまることはありません。水を多く与えすぎた場合は、容器を傾けて水を捨ててください。
肥料の与え方
ハイドロカルチャーでパキラを成長させるためには、肥料で栄養を補給してあげましょう。ハイポネックス原液を3,000倍くらいに薄めて、水やりの際にあたえてください。
肥料を与えるのは春〜秋のよく成長する時期だけでOKです。水を与える2回に1回程度です。あまり成長させたくない場合は、控えめにしてください。
冬場の管理
冬場は5℃以上は必要なので、室内の温度が一定の場所に置いてください。光が足りなくて元気がないようなら、昼間に明るい場所へ移動させるなどしてください。また、水分も冬場はあまり必要ではありません。やや乾かし気味に管理してください。
土植えのパキラをハイドロカルチャーへ植え替えるには?
土植えのパキラをハイドロカルチャーに植え替える手順を解説します。
土植えのパキラを植木鉢から取り出す
植木鉢から取り出したら、根についた土をほぐして取り除きます。パキラは生命力が強いので多少強引でも問題ありません。
付着している土を完全に取り除く
ハイドロボールに植え替えるのなら、土を完全に取り除きます。水を使って綺麗にあらってください。
セラミスグラニューのような保水タイプの植え込み材を使う場合は、土を完全に落とす必要はありませんよ。
植物を入れる容器を用意する
ハイドロカルチャーで使う容器は穴が開いていなければ何でも使えます。お気に入りの器を用意してください。陶器の器を使う際には水位計があると水の管理が便利ですよ。
根腐れ防止剤を入れる
根腐れ防止に力を発揮するのがミリオンAです。こちらを底に敷き詰めます。ミリオンAの成分は珪酸塩白土という天然の土。根腐れ防止、水の活性化、ミネラル補給、光合成の促進など様々な機能を果たします。
ハイドロボールを三分の一くらいまで入れる。
ハイドロボールを使うなら、まずは軽く洗って小さな欠片などを取り除いておきます。その後、容器の底に土台となるだけのハイドロボールを入れてください。洗っておかないと、細かな破片が容器を汚してしまいます。
パキラを設置してハイドロボールを敷き詰める
パキラの周りに残った植え込み材を敷き詰めて安定させれば完成です。根の下などは大きな隙間ができていることがあるので、容器をゆすったり、割りばしなどの棒でつついて隙間なくハイドロボールを満たします。
水を入れる。
最後に水を入れます。容器の五分の一くらいの高さまで入れれば十分です。
ハイドロカルチャーへの植え替え後の管理方法
植え替え直後の管理方法
土植えからハイドロカルチャーに植え替えたら、一週間くらい日光の当たらない部屋で休ませてください。植え替えたばかりの根は傷ついていることが多く、そのときに強い光を当てると植物が弱ってしまいます。また、根が傷ついているときに肥料は与えないようにしてください。
その後の管理方法
ハイドロカルチャーは土栽培とは違い、植物の新陳代謝で発生したゴミなどを微生物が分解することなく、容器の底にたまります。一年に1回、5~6月頃にハイドロボールと根腐れ防止剤の入れ替えを行いましょう。
根腐れしないために
根腐れしないように、ミリオンAを入れ替えます。取り出したポトスは水で洗って腐った根を取り除いてください。根にからまったハイドロボールを無理して取る必要はありません。
ハイドロボールを綺麗に洗う
ハイドロボールやセラミスグラニューは綺麗に洗えば再利用できます。また、雑菌やカビが気になる場合は煮沸消毒してください。汚れが気になるのであれば、新しいものに替えましょう。