【プロが伝授】テーブルヤシを土植えからハイドロカルチャーへ植え替えるコツは?
卓上サイズの小さなヤシの仲間のテーブルヤシはハイドロカルチャーとの相性はバッチリです。土植えのテーブルヤシをハイドロカルチャーに替える方法をご紹介します!
テーブルヤシとは?
メキシコ~南アメリカにかけておよそ100種類が分布するヤシの仲間のひとつ。標高1,000メートル以上の場所に自生し、寒さにも強い品種です。大きくなるヤシの仲間ですが、テーブルヤシは2メートルを超えることはありません。名前の通りテーブルに置くための小さな苗の状態で流通されています。
テーブルヤシをハイドロカルチャーへ植え替える
テーブルヤシは土植えでも2年に1回、植え替えをする植物。既に手元にテーブルヤシがあるのであれば、植え替えを機にハイドロカルチャーに挑戦してみましょう。
ハイドロカルチャー化の手順
それではテーブルヤシをハイドロカルチャーに植え替えてみましょう。
土植えのテーブルヤシを植木鉢から取り出す
多少、引きちぎれてもスグに伸びるので、気にせず取り出しましょう。茎の部分を人差し指と中指ではさみ、ひっくり返すようにして鉢から取り出しましょう。
付着している土を完全に取り除く
土を完全に取り除きます。水を使って綺麗にあらってください。テーブルヤシの根は細かく、絡まりあっているので土をとっていくのはかなり大変です。水圧を利用して洗うと、根が切れることなく土を落とせますよ。
植物を入れる容器を用意する
容器は穴が開いていなければ何でも使えます。お気に入りの器を用意してください。
根腐れ防止剤を入れる
根腐れ防止に力を発揮するのがミリオンAです。こちらを底に敷き詰めます。ミリオンAの成分は珪酸塩白土という天然の土。根腐れ防止だけでなく、水の活性化、ミネラル補給、光合成の促進など様々な機能を果たします。箱根の温泉のようですね。今回はミリオンAにイオン交換樹脂を追加したスーパーミリオンAを使用しました。ミリオンAの効果を高めた製品です。
ハイドロボールを三分の一くらいまで入れる。
容器の底に土台となるだけのハイドロボールを入れてください。土台のハイドロボールは水はけのいい大きいサイズを使います。
テーブルヤシを設置
テーブルヤシのボリューム感が活きるようなアングルを探してテーブルヤシを設置します。根が固まらないように、土台のハイドロボールに広げて設置しましょう。
ハイドロボールを敷き詰める
設置したテーブルヤシの周りに残ったハイドロボールを敷き詰めてテーブルヤシを安定させれば完成です。
ハイドロボールが全体にいきわたるように、細かく調整します。根の下などは大きな隙間ができていることがあるので、容器をゆすって隙間なくハイドロボールを満たします。
水を入れる。
最後に水を入れます。容器の五分の一くらいの高さまで入れれば十分です。
テーブルヤシをハイドロカルチャーで育てる5つのコツ
植え替え直後の管理場所
土植えからハイドロカルチャーに植え替えたら、一週間くらい日光の当たらない部屋で休ませてください。植え替えたばかりの根は傷ついていることが多く、そのときに強い光を当てると植物が弱ってしまいます。
また、植え付け後は根の環境が変わり、葉が落ちるなどの影響を受けます。休ませている間は葉に霧吹きをすることで、葉から水分の蒸散が減り、植物へのダメージを減らす事ができます。
テーブルヤシはどこに置くべき?
直射日光があたらない場所に置いてください。光補償点は400と耐陰性は高いです。窓際でない場所でも育てることができますよ。
水の与え方(春~秋)
水やりの基本は、よく「土が乾いたらたっぷりと与える」と言われていますが、ハイドロカルチャーでは乾燥よりも、根腐れしないように水やりすることが大切です。特に夏場は容器に残った水が温まりやすいので注意しましょう。
ハイドロカルチャーでの水やりのコツは、一度、水につかっている根を空気に触れさせて呼吸させてあげること。ハイドロボールには無数の穴が空いており、容器の底に水がなくなっても、細かい穴の中に水を貯めこんでいます。即水切れを起こすというわけではありません。容器の底に水がなくなったら、2~3日待ってから水を与えるようにしましょう。また、湿度を好む植物なので霧吹きでの葉水も定期的に与えてください。
肥料の与え方
ハイドロカルチャーでテーブルヤシを成長させるためには、肥料で栄養を補給してあげましょう。ただし、ハイドロカルチャーで育てる場合、直接根に肥料があたってしまい、根を痛める原因になります。土植えの時と同じ肥料では濃すぎるので、ハイドロカルチャー用の希釈倍率の表記がある液体肥料を使いましょう。
肥料を与えるのは春〜秋のよく成長する時期だけでOKです。水を与える2回に1回程度水やりの代わりに肥料を与えてください。
冬場の管理
テーブルヤシは5℃以上必要なので、室内の温度が一定の場所に置いてください。光が足りなくて元気がないようなら、昼間に明るい場所へ移動させるなどしてください。
また、水分も冬場はあまり必要ではありません。やや乾かし気味に管理してください。
ハイドロカルチャーで育てたテーブルヤシの植え替え
ハイドロカルチャーは土栽培とは違い、植物の新陳代謝で発生したゴミなどを微生物が分解することなく、容器の底にたまります。一年に1回、5~6月頃にハイドロボールと根腐れ防止剤の入れ替えを行いましょう。
根腐れしないために
根腐れしないように、ミリオンAを入れ替えます。取り出したテーブルヤシは水で洗って風通しのいい場所で少し根を乾かしてから植え替えましょう。
ハイドロボールを綺麗に洗う
ハイドロボールは綺麗に洗えば再利用できます。また、雑菌が気になる場合は煮沸消毒してください。汚れのひどい場合は、新しいものと交換するのも手です。